ウォーターサーバー事業への参入を検討する際、水ボトルの配送を「外部の宅配業者に委託するか」「自社スタッフで届けるか」は、収益性と顧客定着率を左右する重要な判断ポイントです。
本記事では、自社配送を採用した場合の事業上のメリットを、配送コスト・顧客との関係性・解約率への影響の3つの観点から整理しています。すでに配送車両や訪問体制を持つ企業の経営者やご担当者様は、参考にしてみてください。
ウォーターサーバー事業における水ボトルの配送方式は、大きく「外部委託配送(ワンウェイ方式)」と「自社配送(リターナブル方式)」の2つに分かれます。
どちらの方式を採用するかは、参入する際の契約タイプやブランドによって決まるため、配送方式の違いを理解した上でパートナーを選ぶことが重要です。
使い捨てのペットボトルやパックに水を充填し、佐川急便やヤマト運輸などの宅配業者を通じてエンドユーザーに届ける方式です。空容器は家庭ごみとして廃棄されるため、回収業務が不要になります。
代理店側は配送車両や倉庫を持つ必要がなく参入障壁が低い反面、配送の品質やタイミングを自社でコントロールできない点が特徴です。
繰り返し使えるガロンボトルに水を充填し、自社の配送スタッフが直接エンドユーザーに届け、使用済みの空ボトルをその場で回収する方式です。
配送車両やスタッフの確保が必要になりますが、顧客との定期的な対面接点を持てることが事業上の大きな強みになります。
外部の宅配業者に配送を委託する場合、送料は業者の料金体系に依存します。近年は燃料費高騰や物流業界の人手不足を背景に宅配便の送料は上昇傾向にあり、利益を圧迫するリスクが指摘されています。
日本宅配水&サーバー協会の報告でも、運送費や燃料費、人件費の高騰が事業運営における負担要因として挙げられています。
一方、自社配送であれば配送ルートの最適化や混載(既存事業の配送との「相乗り」)によってコストを自社で管理できます。特に、LPガスやダストコントロール、運送業などすでにルート配送を行っている企業であれば、追加のトラック手配なしに水ボトルを積載できるため、1件あたりの配送コストを大幅に抑えることが可能です。
自社配送で水ボトルを届けるということは、月に数回、配送スタッフが顧客の自宅や事業所を訪問するということです。この定期的な対面接点が、顧客との信頼関係を築く上で大きな役割を果たします。
自社配送の現場では、水ボトルを届けるだけでなく、以下のような対応が自然な流れで行えます。
外部の宅配業者が段ボールを置いていくだけの配送では、こうした顧客接点を活かしたフォローや追加提案の機会は生まれません。
宅配業者による配送では、不在時に再配達の手配が必要になり、顧客にとって手間が発生します。自社配送であれば、事前に顧客と取り決めた場所への「置き配」や、配送時間帯の柔軟な調整が可能です。再配達の負担がなくなることで、顧客の満足度が高まり利用継続に繋がりやすい構造です。
ウォーターサーバー事業はストック型のビジネスモデルであるため、顧客の解約(チャーン)は収益に直接的なダメージを与えます。自社配送による定期的な対面接点は、解約率の抑制に効果的です。
定期的に同じ配送スタッフが訪問することで、顧客との間に人間関係が生まれます。「いつもの配達員さんが来てくれる」という安心感は、単なるサービス比較では測れない心理的なスイッチングコストとなり、他社への乗り換えを抑制する効果があります。
配送のたびに顧客と顔を合わせるため、「最近ボトルの消費が減っている」「使い方に困っている様子がある」といった変化を早期に察知できます。解約の兆候を事前にキャッチし、注文量の見直しや使い方の再提案といったフォローを打てることは、自社配送ならではの強みです。
自社配送で採用されるリターナブルボトルは、工場で洗浄・殺菌した上で繰り返し使用するため、使い捨てのワンウェイボトルと比べてプラスチックごみの排出を抑えられます。
顧客側にとっても、空ボトルを家庭ごみとして分別・廃棄する手間がなくなる点はメリットです。環境意識の高まりを背景に、サステナビリティを重視する法人顧客や家庭への提案材料としても活用できます。
自社配送には多くのメリットがありますが、事前に理解しておくべきポイントもあります。
自社配送モデルは、配送車両・ドライバー・倉庫スペースといった物流インフラが前提です。ゼロからこれらを揃える場合は初期投資が必要になります。
ただし、すでにルート配送や訪問営業の体制を持つ企業であれば、既存インフラの転用で対応できるため、追加の設備投資を抑えながら参入可能です。
外部の宅配業者であれば全国配送が可能ですが、自社配送の場合は物理的に対応できるエリアに限りがあります。配送エリアと既存の営業圏の重なりを事前に確認し、無理のない範囲で事業を立ち上げることが重要です。
すでに配送車両やルート配送の体制を持つ企業が、自社配送のメリットを享受するためには、配送業務まで自社で担えるFC加盟や販売代理店タイプの契約を選ぶ必要があります。
取次店タイプでは配送は本部または外部業者が担当するため、自社の物流インフラを活かすことはできません。自社の配送力を収益に直結させたい企業にとっては、FC・代理店タイプの参入が合理的な選択となります。
自社の配送網を活かしてウォーターサーバー事業に参入するなら、パートナー選びで重要なのは「自社配送が選べる契約タイプがあるか」という点です。当メディアでは、「配送ルートを持つ企業」「じっくり話す機会が多い企業」「媒体を持つサロンや個人」など、企業のアセットに応じたおすすめパートナーを厳選しています。
ウォーターサーバー事業を始めるには、メーカーや代理店募集サイトから問い合わせて契約を結ぶのが一般的です。しかし、販売パートナーの事業内容はさまざまなため「思っていた収益モデルや業務範囲と違う」といったミスマッチが起こりかねません。
自社が既に持っている配送網や顧客基盤、媒体などのアセットを活かせるパートナーを選ぶことが大切です。
| 業務範囲 | 営業・配達・集金・メンテナンスまでを一気通貫で担う |
|---|---|
| 収益 | 獲得報酬、毎月の水代 |
| 業務範囲 | 営業活動、顧客対応 |
|---|---|
| 収益 | 新規契約手数料 |
| 業務範囲 | 紹介のみ |
|---|---|
| 収益 | 紹介料 |
※参照元:マイボイスコム調べ(2022年7月「ウォーターサーバーの利用に関する調査」にて利用経験者の満足度No.1)(https://myel.myvoice.jp/products/detail/28808)
調査期間:2022年07月01日 ~07月05日
調査対象:「MyVoice」のアンケートモニター
調査方法:インターネット調査
調査会社:マイボイスコム株式会社