リフォーム市場は競争が激化し、季節や景気による売上の波に悩む経営者も少なくありません。工事が完了すれば売上が途切れる「フロー型」のビジネスモデルに依存した状態では、安定経営の見通しが立ちにくいのが現実です。
一方で、リフォーム会社にはOB顧客(過去にリフォーム工事を行った施主)との信頼関係や営業ノウハウといった、強力な経営資源があります。このページでは、こうした既存資源を活かしながら初期投資を抑えて始められる多角化戦略として、ウォーターサーバー事業に注目。具体的な相性の良さや成功のポイントを解説します。
リフォーム会社の多角化について、既存の顧客基盤や営業力を活かす考え方から、ウォーターサーバー事業のメリット、販売パートナーの選び方、その他の事業候補までをまとめています。
近年、新築着工戸数の減少に伴い、リフォーム市場への参入企業が増加しています。大手ハウスメーカーや家電量販店、ホームセンターなどの異業種参入も相次ぎ、価格競争はますます厳しくなっています。加えて、資材価格の高騰が利益率を圧迫し、中小規模のリフォーム会社にとっては受注単価の維持すら難しい状況です。
さらに、リフォーム工事は案件ごとに売上が発生する「フロー収益」が中心です。繁忙期と閑散期の差が大きく、天候や景気に左右されやすいため、経営の安定性を確保しにくい構造的な課題を抱えています。
こうした背景から、毎月継続的に収入を得られる「ストック型」の収益構造を自社に組み込む多角化が、リフォーム会社の経営安定化に不可欠となっています。
新規事業への参入と聞くと、ゼロからの顧客開拓や人材採用を想像しがちです。しかし、リフォーム会社には「信頼」「接点」「営業力」という3つの優位性がすでに備わっています。
キッチンや浴室の入れ替え、外壁塗装といった大規模な工事を任された実績は、顧客との強固な信頼関係の証です。リフォーム会社には施主の氏名・住所・施工履歴を含む顧客データベースが蓄積されており、他業種がゼロから構築するリストをすでに保有しています。この資産は新規事業の立ち上げにおいて非常に大きなアドバンテージとなります。
リフォームの現地調査や打ち合わせでは、家族構成やライフスタイル、住まいの悩みについて深くヒアリングする機会があります。「水道水のカルキ臭が気になる」「子どもが生まれるので安全な水を使いたい」といった潜在ニーズも自然な会話の中で把握しやすく、暮らし関連の新商材は提案の導線を作りやすいのが特長です。
リフォーム会社にはもともと顧客宅を訪問し、対面で提案を行う営業スタッフや現場スタッフがいます。新規事業のために営業体制をゼロから構築する必要がなく、既存スタッフが副次的に案内できる商材を選べば、追加の人件費を最小限に抑えたまま事業を拡大できます。
多角化を検討する際に重要なのは、本業であるリフォーム施工の現場リソースを圧迫しないビジネスモデルを選ぶことです。現場職人の手が取られたり、大規模な設備投資が必要になったりする事業は、多角化のメリットよりも本業へのデメリットが上回るリスクがあります。
特にウォーターサーバーのように、特別な資格が不要で在庫リスクもない事業は参入障壁が低く、多角化の第一歩として適しています。契約が増えるほど毎月の売上が積み上がるストック型のモデルであれば、フロー収益の波を補いながら経営基盤を安定させられます。一方、不動産仲介や太陽光発電のように免許・資格が必要な事業でも、リフォーム会社との相性が良いものはあります。
数ある新規事業の中で、ウォーターサーバーの代理店・FC(フランチャイズ)はリフォーム会社との相性が高い事業です。その理由を解説します。
リフォーム完了後、顧客との接点が途切れてしまうことは多くのリフォーム会社が抱える課題です。ウォーターサーバーという生活密着型の商材を取り扱うことで、前述のOB顧客との接点をさらに強化できます。たとえば、サーバーのフィルター交換やメンテナンスの案内を通じて定期的に訪問する理由が生まれ、次のリフォーム案件の相談にもつながる好循環を生み出せます。
キッチンリフォームの引き渡し直後やフルリノベーション完了時は、施主が「新しい暮らし」への期待感がもっとも高まるタイミングです。生活環境をアップデートしたいというモチベーションが強いため、ウォーターサーバーの提案は購買意欲に直結しやすく、高い成約率が期待できます。
ウォーターサーバーの代理店制度では、顧客が継続利用する限りメーカー本部から毎月コミッション(手数料)が入る「ストック型」の報酬形態を選べる場合があります。契約件数が100件、200件と増えるごとに、工事案件の有無にかかわらず安定した収益が積み上がっていきます。リフォーム工事のフロー収益と組み合わせることで、経営の安定性は大きく向上します。
ただし、代理店の報酬形態は大きく「ショット型(契約獲得時に一時金が入るタイプ)」と「ストック型(毎月継続報酬が入るタイプ)」の2種類があり、取次型の代理店ではショット報酬のみのケースもあります。契約前にどちらの報酬体系かを必ず確認しましょう。
ウォーターサーバーのFC・代理店制度の中には、サーバー本体の設置や水の配送を本部側が担う「取次型」のモデルがあります。この形式であれば、自社で施工作業や在庫管理を行う必要がなく、営業スタッフが契約を取り次ぐだけで報酬が発生します。現場の人手不足を悪化させることなく、本業と両立した運営が可能です。
ウォーターサーバーのFC・代理店を選定する際は、以下の比較軸を意識することが重要です。
ウォーターサーバー事業を始める際は、サーバーの機能性やデザインはもちろん、取次後のカスタマーサポート体制が充実しているパートナーを選ぶことが重要です。自社のメイン顧客層のニーズに合致した商材であるかを確認しましょう。
当メディアでは、不動産会社様が導入する際に比較すべき販売パートナーを厳選して紹介しています。自社の規模や営業スタイルに最適なパートナーを見つけるための参考にしてください。
ウォーターサーバー以外にも、リフォーム会社の顧客基盤やノウハウを活かせる多角化の選択肢があります。代表的な事業を紹介します。
光熱費の削減提案はリフォームとの親和性が非常に高い分野です。屋根や外壁の工事と合わせて太陽光パネルの設置を提案できるため、顧客にとっても一度の工事で済むメリットがあります。単価が大きいため、1件あたりの収益インパクトが大きい点も特長です。太陽光パネルの設置工事には電気工事士等の資格が必要ですが、施工を専門業者に外注し、自社は提案・取り次ぎに専念す
リフォーム後の美観維持や、高齢の施主が抱える日常の困りごとを解決するサービスとして親和性が高い事業です。定期契約に誘導しやすく、ストック型の収益源として機能します。初期投資も比較的少額で始められるのが利点です。
中古物件の購入からリフォームまでをワンストップで提案することで、受注単価や成約率の向上が期待できます。物件探しの段階からリフォーム計画を一体で提案できるため、顧客満足度の向上にもつながります。ただし、不動産仲介業を行うには宅地建物取引業免許の取得と宅地建物取引士の配置が法律上必要なため、ウォーターサーバー等と比べると参入のハードルはやや高めです。
リフォーム会社が持つOB顧客との信頼関係・対面営業力・住まいに関する深い知見は、多角化において大きなアドバンテージです。なかでもウォーターサーバー事業は、特別な資格が不要で初期投資を抑えながら始められ、本業の施工リソースを圧迫しない点でリフォーム会社との相性が良いです。
ウォーターサーバー事業を始めるには、メーカーや代理店募集サイトから問い合わせて契約を結ぶのが一般的です。しかし、販売パートナーの事業内容はさまざまなため「思っていた収益モデルや業務範囲と違う」といったミスマッチが起こりかねません。
自社が既に持っている配送網や顧客基盤、媒体などのアセットを活かせるパートナーを選ぶことが大切です。
| 業務範囲 | 営業・配達・集金・メンテナンスまでを一気通貫で担う |
|---|---|
| 収益 | 獲得報酬、毎月の水代 |
| 業務範囲 | 営業活動、顧客対応 |
|---|---|
| 収益 | 新規契約手数料 |
| 業務範囲 | 紹介のみ |
|---|---|
| 収益 | 紹介料 |
※参照元:マイボイスコム調べ(2022年7月「ウォーターサーバーの利用に関する調査」にて利用経験者の満足度No.1)(https://myel.myvoice.jp/products/detail/28808)
調査期間:2022年07月01日 ~07月05日
調査対象:「MyVoice」のアンケートモニター
調査方法:インターネット調査
調査会社:マイボイスコム株式会社