人口減少やオール電化の普及により、LPガス業界では新たな収益源の確保が急務となっています。本記事では、LPガス事業の多角化と相性が良い事業について解説しているほか、多角化の成功事例などを掲載しているので、参考にしてみてください。
スマートメーター化による検針業務の自動化は効率化をもたらした反面、顧客と顔を合わせる接点を希薄にしました。人口減少やオール電化への移行が進む中、ガス単体への依存から脱却し、多角化による経営基盤の安定化が求められています。
LPガス事業者が既に保有している経営資源が、新規事業を始める上で強力な武器となる理由を解説します。
既に各家庭や法人と長期的な契約を結んでおり、地域から厚い信頼を得ている点は大きな強みです。ゼロからの新規開拓は不要で、既存顧客へのクロスセル(セット提案)からスタートできるため、初期の集客ハードルが低い状態で事業を始められます。
ガスの配送に使っているトラック、安全に保管できる倉庫、そして配送ルートという「物流インフラ」を既に持っている点も重要と言えます。多角化にあたり新たな設備投資を抑え、既存のインフラをそのまま転用すれば、リスクを抑えて事業をスタートすることが可能です。
重いガスボンベを各家庭に安全に配送・設置するノウハウと人材は、新規事業において大きな武器になります。例えばウォーターサーバーの水ボトル(十数kg)は一般的な配送において労働負荷の高い商材ですが、日頃から重いボンベを扱うガス配送員であればスムーズに対応可能です。
家屋への配慮や安全確認といった現場のマナーもすでに身についているため、一から教育する手間がかかりません。採用や育成のコストを大幅に抑え、既存社員が即戦力として活躍できる点は、他業種からの参入にはない有利な条件と言えます。
多角化を成功させるには、以下の3点を満たす事業を選ぶことが大切です。
上記のポイントを満たし、LPガス事業の強みと好相性なのがウォーターサーバー事業(自社配送のフランチャイズモデル)です。詳しい理由を見ていきましょう。
LPガス事業特有の悩みである「冬場は忙しいが、夏場はどうしても売上が落ちる」という季節変動(繁閑差)の課題の対策となります。
ウォーターサーバーは夏場に需要のピークが来るため、ガスの閑散期を水が補い、年間を通して配送員とトラックの稼働率を高く維持する仕組みです。そのため、参入すれば利益の平準化が図れるでしょう。
ガスの検針やボンベ交換のルートに合わせて水ボトルを配送すれば、無駄な物流コスト(ガソリン代や移動時間)がかかりません。
既にあるインフラと人員を活用する「相乗り配送」が可能になるため、余計な経費をかけずに高い利益率を確保しやすい構造と言えます。新たな配送網を構築する手間がない分、効率的に事業を回せるでしょう。
ウォーターサーバービジネスは売り切り型ではなく、顧客が水を飲み続ける限り毎月収益が発生するストック型ビジネスです。ガスや電気と同じ「生活インフラ」としての性質を強く持つため、一度契約すれば解約されにくく、利用が継続されやすい傾向にあります。
毎月着実に積み上がる売上は、経営を支える強固な第2の柱となるでしょう。
スマートメーター化の普及により、顧客との接点が希薄になっているLPガス事業者にとって、定期的な訪問機会の創出は大きな課題です。ウォーターサーバー事業に参入すれば、配送で月に数回顧客と顔を合わせる機会が生まれ、自然な「御用聞き営業」が可能になります。
接触頻度が増えると顧客との関係性が強化されるため、オール電化への切り替え防止につながるでしょう。
「社会や地域の人々に幸せを提供したい」という強い思いを持ち、1962年よりLPガス販売事業を続けてきた会社の事例です。
「社会の活力に、“水”で貢献する」という企業理念に共感したことがきっかけとなり、2017年にウォーターサーバーの老舗ブランド「アクアクララ」の販売代理事業を開始。事業を多角化したことで顧客数が増え、幸せを提供できる範囲が拡大しています。
ウォーターサーバー事業を始めるには、メーカーと直接契約する、あるいは代理店・フランチャイズ募集サイト経由で申し込むのが一般的。業務やサポートの範囲、収益モデルなどは販売パートナーによって異なるため、自社が既に持っている配送網や顧客基盤といった経営資源を活かせるパートナーを選ぶことが大切です。
当メディアでは、企業の経営資源やアセットごとに、ウォーターサーバー事業でおすすめの販売パートナーを厳選しています。LP事業者におすすめの販売パートナーも取り上げているので、比較・検討の材料にお役立てください。
多角化の選択肢はウォーターサーバー事業以外にも存在します。自社の状況に合わせて検討できるよう、相性が良い他の事業も把握しておきましょう。
ガスコンロや給湯器の交換・点検時に、キッチンやバスルーム全体のリフォームを自然な流れで提案しやすい点が強みです。既存顧客に対するアップセルとして展開しやすく、一回あたりの受注単価が高い傾向にあります。
顧客の家に上がる必要があるため、一般的にはハードルが高いとされている事業です。LPガス事業者には地域密着のインフラ企業として長年培ってきた安心感・信頼感があるため、既存顧客のライフスタイル支援として受け入れられやすい側面を持っています。
水漏れや鍵の紛失など、日常のトラブルに対応するサービスです。既に24時間対応や地域を巡回する体制を持っているガス会社であれば展開しやすい傾向にあります。地域の困りごとを解決してくれる企業として、地域住民や社会から評価されやすくなるでしょう。
LPガス事業を多角化する際、本業との親和性が低い分野を選んでしまうと、設備投資や人材育成に多大なコストがかかります。既存業務とのシナジーも生まれず、かえって現場の社員に無理な負担を強いてしまうリスクも懸念されるでしょう。
多角化を成功させるうえで大切なのは、既にある経営資源の活用です。配送網や顧客基盤をそのまま活かせるウォーターサーバー事業であれば、初期費用を抑えつつ、閑散期対策やガスの解約防止に繋げられます。
現在のインフラと社員を守りながら、安定した収益の柱となる事業パートナーを見つけたい方は、以下の記事からウォーターサーバー事業の始め方をご確認ください。
ウォーターサーバー事業を始めるには、メーカーや代理店募集サイトから問い合わせて契約を結ぶのが一般的です。しかし、販売パートナーの事業内容はさまざまなため「思っていた収益モデルや業務範囲と違う」といったミスマッチが起こりかねません。
自社が既に持っている配送網や顧客基盤、媒体などのアセットを活かせるパートナーを選ぶことが大切です。
| 業務範囲 | 営業・配達・集金・メンテナンスまでを一気通貫で担う |
|---|---|
| 収益 | 獲得報酬、毎月の水代 |
| 業務範囲 | 営業活動、顧客対応 |
|---|---|
| 収益 | 新規契約手数料 |
| 業務範囲 | 紹介のみ |
|---|---|
| 収益 | 紹介料 |
※参照元:マイボイスコム調べ(2022年7月「ウォーターサーバーの利用に関する調査」にて利用経験者の満足度No.1)(https://myel.myvoice.jp/products/detail/28808)
調査期間:2022年07月01日 ~07月05日
調査対象:「MyVoice」のアンケートモニター
調査方法:インターネット調査
調査会社:マイボイスコム株式会社