本記事では、リネンサプライ事業ならではの資源を活かせる多角化の選択肢を解説します。価格競争から脱却するため、新たな収益の柱となる新規事業をお探しの経営者様は、参考にしてみてください。
ボイラーを稼働させるための原油・ガス代や水道代の負担増、配送用ガソリン代の高騰など、利益を圧迫する要因は後を絶ちません。
リネン回収・配送スタッフの人手不足や、顧客からの厳しいコストダウン要求も相まって、リネンサプライ事業一本で売上を伸ばすハードルは年々上がっているため、多角化が急務とされているのです。
顧客の施設に日々出入りし、自社のトラック網を持つリネン会社が既に保有している経営資源は、法人向け新規事業において強力な武器となります。
使用済みのリネン回収と、洗濯済みの納品を行うための配送ルートが既に確立されている点は大きな強みです。特定のエリアを毎日あるいは週に数回巡回するシステムが完成しており、車両や人員の運用が既に軌道に乗っています。
ゼロから物流網を構築する他業界からの参入と比べ、自社の配送インフラを転用できるため、多角化における初期投資や維持費を抑えやすい環境だと言えるでしょう。
届け先によりますが、一般的に毎日あるいは週数回の集配頻度で顧客先との継続的な接点があります。導入後のフォローや数量調整がしやすく、新商材の案内や提案を行うタイミングも確保しやすいのが特徴です。
リネンサプライ業者として、既にバックヤードに出入りできる信頼を得ているため、新しい商品・サービスを提案しても警戒されにくく、クロスセルにつなげやすい傾向があります。
大量の濡れたタオルやシーツの束など、重量のあるリネン類を日々台車などで安全に運搬している配送スタッフがいることは大きなアドバンテージです。重い商材を扱う多角化事業であっても、既存スタッフのスキルで対応可能であり、新たな教育負担を最小限に抑えられます。
多角化を成功へ導くには、以下の3点を押さえた事業を選ぶことが大切です。
上記のポイントを満たし、リネンサプライ事業の強みと好相性なのが法人向けウォーターサーバー事業(自社配送のフランチャイズモデル)です。その理由を詳しく見ていきましょう。
ウォーターサーバーの交換用ボトルは形状が規格化されており、リネン類を積んだトラックの空きスペースへ計画的に混載(相乗り)させやすい商材です。納品や回収のスケジュールに合わせて積載量の余裕を活かせるため、水専用の車両や専任ドライバーを新たに手配する必要がありません。
既存の便へ無理なく組み込めることから、追加の固定費をかけずにスタートしやすく、新規事業としての利益率を高めやすい構造になっています。
リネンサプライは施設の稼働時間に合わせた早朝・夜間配送が発生するケースもあります。一方、法人向けウォーターサーバーは日中の定期配送が中心となるため、時間帯のバリエーションを持たせやすい事業です。
業務内容や時間帯に選択肢が生まれることで、体力面の負担分散や働き方の調整がしやすくなります。既存ドライバーの定着率向上に貢献するほか、採用時の訴求材料としても活用できるでしょう。
リネンを納品するホテル、クリニック、エステサロンなどは、そもそも「お客様へのサービス」や「スタッフの水分補給」としてウォーターサーバーの需要が高い施設です。出入り業者としての信頼を活かし、「リネンのついでに水もお持ちしますよ」と提案するだけで、飛び込み営業なしでの大口契約を複数台獲得できる可能性を秘めています。
リネンサプライ事業は従量課金制が一般的で、宿泊客数や来店客数などの稼働状況に売上が連動しやすい構造です。感染症の流行や景気動向、為替変動といった外部環境の影響を受けると、利用枚数が減少し、売上が変動する可能性があります。
一方、ウォーターサーバー事業は、月額レンタル料や契約条件によっては最低利用数量の設定などがあるため、一定の固定収益を見込みやすいモデルです。客室ではなくスタッフルームなど従業員向けに設置する場合、施設の稼働率が低下しても、従業員が出勤している限り水の消費が急激に落ち込みにくい傾向があります。
契約形態や設置場所の工夫次第で、主軸事業の売上変動をカバーする第2の収益源となるでしょう。
ウォーターサーバー事業を始めるには、メーカーと直接契約するか、代理店・フランチャイズ募集サイト経由で申し込むのが一般的。業務やサポートの範囲、収益モデルなどは販売パートナーによって異なるため、自社配送や法人リストが活かせる企業を選ぶことが大切です。
当メディアでは、企業の経営資源や特性ごとに、ウォーターサーバー事業でおすすめの販売パートナーを紹介しています。リネンサプライ事業と相性の良い販売パートナーも掲載していますので、比較・検討の材料にお役立てください。
ウォーターサーバー以外にも、リネンサプライ事業の強みを活かせるB2B向けの選択肢をいくつか紹介します。
エントランスのマットや清掃用モップ、トイレの芳香剤やハンドソープなどを定期的に交換・補充する事業です。リネンの配送ルートにそのまま乗せることができ、「洗って貸し出す」という本業のスキームと親和性が高い点が魅力といえます。
ユニフォームのクリーニング(レンタル)だけでなく、新品の企画・販売まで領域を広げる事業です。サイズ測定や納品も既存のルートで行え、ホテルや工場のリニューアル時にまとまった大口の売上を確保しやすいメリットがあります。
シーツやタオルを納品するだけでなく、ホテルや病院の「客室清掃・ベッドメイキング」そのものを自社スタッフや業務委託で請け負う多角化戦略です。顧客の「人手不足」という悩みを丸ごと解決できる付加価値で単価向上を狙いやすくなります。
リネンサプライ事業の多角化には様々な選択肢がありますが、成功の鍵は自社が既に持っている経営資源をどう活かすかにかかっています。トラックによる高頻度な配送網や、法人バックヤードへのアクセス権を無駄なく活用することで、価格競争や稼働率の波から抜け出し、強固な事業基盤を築きましょう。
ウォーターサーバー事業での多角化に興味がある方は、以下の記事から始め方をご確認ください。
ウォーターサーバー事業を始めるには、メーカーや代理店募集サイトから問い合わせて契約を結ぶのが一般的です。しかし、販売パートナーの事業内容はさまざまなため「思っていた収益モデルや業務範囲と違う」といったミスマッチが起こりかねません。
自社が既に持っている配送網や顧客基盤、媒体などのアセットを活かせるパートナーを選ぶことが大切です。
| 業務範囲 | 営業・配達・集金・メンテナンスまでを一気通貫で担う |
|---|---|
| 収益 | 獲得報酬、毎月の水代 |
| 業務範囲 | 営業活動、顧客対応 |
|---|---|
| 収益 | 新規契約手数料 |
| 業務範囲 | 紹介のみ |
|---|---|
| 収益 | 紹介料 |
※参照元:マイボイスコム調べ(2022年7月「ウォーターサーバーの利用に関する調査」にて利用経験者の満足度No.1)(https://myel.myvoice.jp/products/detail/28808)
調査期間:2022年07月01日 ~07月05日
調査対象:「MyVoice」のアンケートモニター
調査方法:インターネット調査
調査会社:マイボイスコム株式会社