本記事では、衛生機器レンタル業が持つ経営資源を活かした多角化戦略を解説します。既存のリソースを再定義し、顧客1社あたりの売上最大化(LTV向上)を目指す経営者や営業責任者の方は、事業展開の参考にしてください。
テレワークの定着によるオフィス出社率の低下に伴い、サニタリー消耗品の消費サイクルには変動が生じています。加えて、ペーパーレス化の進展やハンドドライヤーの利用再開も、ペーパータオル等の需要に影響を与える要因です。
燃料費の高騰や配送人件費の上昇も利益を圧迫しているため、既存の巡回網を維持しながら収益源を多角化することが、事業継続において急務とされています。
衛生機器レンタル業者が既に保有している有形無形の資産は、新規事業を軌道に乗せるうえで強力なアドバンテージとなります。
芳香剤の交換や洗剤の補充など、定期的なサイクルで顧客を巡回する配送網は、物流インフラとしての価値を持ちます。既存ルートに付加価値の高い商材を組み込めば、移動コストの増大を抑えつつ効率的な事業拡大が可能です。新たな車両を投入せずとも、稼働時間の密度を高めることで収益性の向上が見込めます。
トイレや給湯室といった、施設の「心臓部」ともいえる区域のメンテナンスを担う業者は、顧客から特別な信頼を寄せられる存在です。日常的な清掃・補充を通じて「環境を整えてくれるパートナー」と認識されているため、新規商品を提案する際に門前払いされにくい傾向があります。
「商品を設置し、定期訪問で品質を維持して月額料金を得る」というストック型モデルのノウハウを既に持っている点は、大きな強みです。顧客管理や決済フローが確立されているため、同様の収益モデルを持つ新サービスを違和感なく導入できます。顧客側も「衛生管理=定額費用」という認識が強いため、予算化の相談も円滑に進みやすいでしょう。
多角化の成功は、本業のリソースをいかに「無理なく」転用できるかにかかっています。以下の3点を満たす事業を選定すると良いでしょう。
衛生機器レンタル業の強みと、法人向けウォーターサーバー事業の特性は、運用面において多くの共通点を持っています。
洗剤やシートクリーナーの交換スケジュールに合わせ、水ボトルを配送する仕組みを構築できます。専用の配送員を別途用意せずとも、既存の巡回網に組み込むことで配送コストの分散が図れるでしょう。水ボトルは重量物であるため、積載量に応じた車両の選定や安全な搬入経路の確保といった、物流実務の調整が成功の鍵を握ります。
給湯室の衛生管理を担う際、隣接して設置されることが多いウォーターサーバーの状態には、自然と目が届くはずです。「お水もサニタリー用品と併せて管理しませんか?」という提案は、窓口を一本化したい担当者にとって利便性の高い選択肢。補充のついでにサーバー周辺の簡易清掃を行うなど、衛生のプロとしての付加価値も付与できます。
サニタリー用品は1点あたりの単価が低く、オフィスの利用人数減少がそのまま収益減に直結しやすい傾向があります。一方、ウォーターサーバーは水ボトルの受注に加え、サーバーレンタル料などの固定収益を併せ持つモデルが存在するのが特徴です。利用人数によって水の消費量が変動したとしても、1社あたりの売上ベース(LTV)を底上げし、減少した消耗品需要を補う「第2の柱」としての役割が期待できます。
衛生用品と飲料水を別々に発注している企業にとって、業者ごとに発生する「検収・請求処理・在庫確認」の事務負担は小さくありません。これらを一括で請け負うことで、担当者の管理コストを直接的に削減できます。一度「給湯室周りのインフラ」を包括的に預けてしまえば、他社へ切り替える際の事務的な手間が大きなハードルとなるため、競合他社への乗り換えや解約防止につながるでしょう。
ウォーターサーバー業界へ新規参入するには、メーカーと直接契約するか、代理店・フランチャイズ募集サイト経由で申し込むのが一般的です。販売パートナーを選ぶ際は、自社の配送網や顧客基盤を活かせるかどうかを確認しましょう。
当メディアでは、企業の経営資源や特性ごとに、ウォーターサーバー事業でおすすめの販売パートナーを紹介しています。配送ルートを持つ企業と相性の良い販売パートナーも掲載していますので、比較・検討の材料にお役立てください。
休憩室や給湯室で消費される備品の在庫管理・補充を代行するモデルです。衛生機器の点検時に併せて在庫を確認することで、担当者の備品管理の負担を軽減できます。本業の訪問ついでに受注すれば、客単価を効率よく高められるでしょう。
トイレの衛生管理で使用する薬剤の知識や噴霧技術を、そのままオフィス全域のウイルス対策に転用できます。日常的に「除菌のプロ」として現場に出入りしているため、施工への信頼を得やすいのが利点です。定期メンテナンスに組み込んだ定額プランを提示すれば、単発の施工案件に留まらない継続的な収益源へと成長します。
レンタル機器の設置と連動させ、自動ディスペンサーや検温システムなどを導入サポートします。機器販売によるスポット収益と、その後の関連消耗品のレンタルを組み合わせることで、利益構成の最適化を図れる分野です。
衛生機器レンタル事業の多角化を成功させるポイントは、施設内部への立ち入り権限と確立された巡回ルートを、いかに収益性の高い商材に乗せるかにあります。既存インフラを再活用し、労働環境の維持と収益性の向上を両立させましょう。
巡回ルートを活かせるウォーターサーバー事業に関心をお持ちの方は、以下のガイドから具体的な始め方をご確認ください。
ウォーターサーバー事業を始めるには、メーカーや代理店募集サイトから問い合わせて契約を結ぶのが一般的です。しかし、販売パートナーの事業内容はさまざまなため「思っていた収益モデルや業務範囲と違う」といったミスマッチが起こりかねません。
自社が既に持っている配送網や顧客基盤、媒体などのアセットを活かせるパートナーを選ぶことが大切です。
| 業務範囲 | 営業・配達・集金・メンテナンスまでを一気通貫で担う |
|---|---|
| 収益 | 獲得報酬、毎月の水代 |
| 業務範囲 | 営業活動、顧客対応 |
|---|---|
| 収益 | 新規契約手数料 |
| 業務範囲 | 紹介のみ |
|---|---|
| 収益 | 紹介料 |
※参照元:マイボイスコム調べ(2022年7月「ウォーターサーバーの利用に関する調査」にて利用経験者の満足度No.1)(https://myel.myvoice.jp/products/detail/28808)
調査期間:2022年07月01日 ~07月05日
調査対象:「MyVoice」のアンケートモニター
調査方法:インターネット調査
調査会社:マイボイスコム株式会社